プロレスラーがやってきた!
まだ桜のつぼみが固く閉じ、コートの襟を立てて寒々と出勤してきた時のこと、グループホームのある職員が、まるで春が来たかのような勢いで「プロレスラーを呼んでいいですか」と。
は? いくら力仕事のこの業界とはいえ、そこまでの力が必要なのかと不思議に思っていると、
否、否、否、本物のプロレスラーが慰問に来てくれるんです!( ^)o(^ )
と、さも自分に会いに来てくれるような喜びよう。
管理者:「ふーん、いいけどぉ」。と少し突き放したようなナマ返事。
その職員:「やった~」と今度は桜満開の笑顔 (*^。^*)
管理者:「せやけど入居者とプロレスの試合するわけにいかんやろ?」
その職員:「否、否、違います。お姫様だっこしてくれるんです」( ^)o(^ )
管理者:「ふーん、ホンモノなん?」
その職員:「あったりまえじゃないですか」「私もお姫様抱っこしてもらおっと」
管理者:「お姫様抱っこから、そのままジャーマンスープレックスって、どう面白くない」イヒヒヒ。
いつの間にか、訪問の当日を迎え、マスクを駐車場で装着した(見たぞ!)男性と、スタッフの女性1名が施設にやって来ました。
こちらも管理者として、(気合を入れて)少し大きめの声で挨拶すると、向こうも勢いのある大声で「こんにちは!」とさすがプロレスラー。
会場では、みなさんが拍手でお迎え。
その名もビリーケン・キッドと自己紹介し、みなさんビリーと呼んで下さいと。
管理者:ふーん、ちょっと間延びする感じの名前やなぁ(不信感ありありの管理者)。
するとおもむろにTシャツを脱ぎ、上半身が裸に。
分厚い、本当に分厚い胸板。鍛え抜かれたバディ。
これには管理者もびっくり(・_・;)
マジすげぇー、 いや、誠に素晴らしいお身体で。
昔懐かしい力道山のお話しから、空手チョップを入居者のみなさんに浴(あ)びせ掛ける、
ではなく、入居者さんがビリーの胸板に空手チョップ! という趣向。
楽しいお話しや、体操を交えて会場は大盛り上がり。
そして、入居者の女性をおもむろにお姫様抱っこ!
何か童心に帰ったようなお顔の入居者さん。とっても嬉しそう。
入居者のみなさんをお姫様抱っこした後、
最後に、職員の人、一人だけお姫様抱っこしまーすと、ビリー。
元気よく手を挙げて、選ばれた職員が抱っこされると、今まで見たことのない少女のような顔(個人情報保護のためモザイク処理しています)。
管理者:何で女の人は、こんなにマッチョがいいんだろう?
と、ぶつぶつ呟(つぶや)いていると
(・_・;)
もう1人いました。
お姫様抱っこに漏(も)れてしまった「その職員」が… (>_<)
このままでは明日からの勤労意欲に支障が出ると、とっさに判断した管理者。
管理者:ビリーもう一人、どうしても、もう一人お願いしまーす。
ビリーは素早いリアクションで、「その職員」をお姫様抱っこ!!
盆と正月が一緒に来たかのような「その職員」の満面の笑顔 (*^。^*)
(個人情報保護のためモザイク処理しています)
こうして、晴れのプロレスラー・ビリーケン・キッドの施設訪問は大盛況でした。
ビリーさん、元気と勇気、そして優しさを与えてくれて、ありがとう。